ロッピングコレクション Vol.34
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 横浜の「関内」は少し不思議な街です。いまから160年以上前、幕末の安政年間に開港が決まってから、「関内」と呼ばれています。しかしその名の住所表示はありません。 JRの関内駅ができたのも、1964(昭和39)年と意外に最近(?)のこと。 そんな関内駅前に降り立った純ちゃん、電車がホームに滑り込む音に高架を見上げて「おっ。ちょうど磯子行きの電車が入ってきたねえ」とぐるりと周囲を見回します。ところが、南口の正面には工事の仮囲いが……。 実は関内駅駅前には半世紀以上に渡り、横浜市庁舎がありましたが、昨年5月に馬車道へと移転。旧庁舎の建物は取り壊さずに活用される予定で、関内駅前は再開発に向けて絶賛整備中だったのです。「へえ~。関内も変わるんだねえ」と近隣の案内板を眺めたら、純ちゃんの目の前には、横浜スタジアムがドーンとそびえています。「そういえば、前に来たときには工事中だったんだよな」と純ちゃんがつぶやいた通り、実は横浜スタジアムは2017年から大規模な増改築・改修工事を行っていて、ようやく昨年、その工事を終えていたのです。 球場内の観客席を増やしたほか、球場の外周の歩道なども整備。「コミュニティボールパーク」化構想のもと、隣接する横浜公園との一体化を進めているのだとか。「外壁にも選手名がアルファベットで書いてあったりして、メジャーリーグっぽいなあ。(元ベイスターズ4番の)筒香はメジャーに行っちゃったんだっけ。メジャーと言えば、15一歩歩けば、ひとつの出会いがある。散歩人、高田純次さんが町歩きで出会う、人、もの、景色。今日の散歩は横浜の関内駅から横浜スタジアム、そして中華街へ――。古き良き横浜を残すこの街で今日はどんな出会いがあるのでしょうか。関内・横浜中華街編取材・文/松浦達也写真/相川大助2

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