ブックタイトルロッピングコレクション VOL.29

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概要

ロッピングコレクション VOL.29

 この日、純ちゃんが降り立ったのは、千駄ヶ谷。国立競技場のほど近く。一本裏へと入ると閑静な住宅街や、アパレルブランドの本社などもある風情のある小粋な町。 まずは千駄ヶ谷一帯の総鎮守である、鳩森八幡神社の境内へとごあいさつに。境内には都の有形民俗文化財で、江戸時代には著名な富士塚として「江戸八富士」にも選定された「千駄ヶ谷の富士塚」や能舞台など見どころ満載……なのですが、なぜか純ちゃん、奥の方へと進んでいきます。 行き着いたのは境内にある小さなお堂。六角形のお堂には将棋の大駒が祀られています。 「ほほぉ。これはまた大きな……。ところで、王将と玉将は格上、格下ってあるんだっけ?」とつぶやきながら、脇の説明書きを珍しく熱心に読んでいます。 実はこの大駒は、1986(昭和61)年に日本将棋連盟から奉納されたもの。六角堂は、その縁で将棋の技術向上を目指す人々の守護神として日本将棋連盟と神社が協力して、建立したのだとか。 戻りがけに、境内の案内板を見つけ、「浅間神社に富士塚かあるってことは昔はここから富士山を臨んだりできたんだろうね。いまは建物が高いからなあ」とちょっぴりしんみりした風情でつぶやいていました。 さて大駒が祀られた神社を後にして、近所にある将棋会館へと向かいます。実はこの日、永世竜王、永世王位など数々の永世位を持つ、あの羽生善治さんに将棋会館の内部をご案内いただけることに一歩歩けば、ひとつの出会いがある――。この日の散歩は、将棋の聖地とも言われる、千駄ヶ谷周辺を散歩します。鳩森八幡神社から棋士おすすめの定食店まで。そして今日は、驚きのスペシャルゲストに将棋会館をご案内いただきます。取材・文/松浦達也写真/相川大助千駄ヶ谷編2